イロハニトイロ

vol.49-㉗ 支援者が障害を作っている!?

病気を治そうとするから病気になる(3)

病気になってまで僕らが守っているもの、避けているものって何なのか?

それは「自分が傷つくこと」だというお話をさせていただきました。

「傷付きたくない」から病気を作ってまで自分を守っている。

それはこれ以上傷つくと壊れてしまうからです。

「いやいや病気になるってこと自体が壊れていることでしょ?!」

という声も聞こえてきそうです。

そうですね。

確かにそう見えるかもしれません。

ここで言う「壊れる」とは、キツイ言葉ですが「死」ということにさせてください。

「これ以上傷つきたくない」と思うのはこれまでたくさん傷ついて来たからです。

だから「傷付くこと」から避けて、一生懸命毎日を生きているんです。

ほらとっても健気でしょ?

そうやって命をつないでいるって凄いことでしょ?

引きこもっている方を「怠け者」だと思っている方いらっしゃいますが、

これだって引きこもることで自分を守り毎日をつないでいる、

とっても頑張っている状態なのかもしれません。

コロナで自粛生活を強いられた時、苦痛でしたよね?

引きこもるって実は大変なことなんです。

(たくさんの不安や孤独、不自由に耐えている。)

病気もそう、引きこもりもそう、

元気な人が見ると、一見悪く見えることも、その方にとっては自分が死なないためにしていること、頑張っていることなんです。

(でも自分ですらもそんな自分を否定しています。こんな自分はダメだって。ここが一番苦しいんですよね。)

こんな僕の経験をお話させていただきます。

バカでバカで何も知らない過去の金村のお話です。

訪問看護である10代の方に関わらせていただきました。

「娘に英語を勉強させて欲しい」というお母様の希望があり作業療法士の僕が週1回訪問させていただく事になったのです。

(「なぜ英語の勉強?」の疑問への説明は割愛します)

その娘さんは引きこもりの方です。

訪問しても部屋から出てこないことが多く、無理やり母親に出されることも多くありました。

もちろん英語の勉強も、それほど興味を持っているようにも思えません。

そして数か月通っても変化はなく、より一層部屋から出てこなくなったため母親から作業療法は終了したい、という申し出があり僕の訪問は中止となりました。

それから数ヶ月後、その方は自殺されました。

まだ10代の若者です。

なぜ死ななければならなかったのか?

なぜ自死を選んだのか?

これをお読みのあなたは何を考えますか?

この出来事から僕(金村)の中で強く信念化された考えがあります。

長くなってきたので次回それを話させてください。

そしてその信念が今回のブログのテーマにもなっている「支援者が障害を作っている?!」にも繋がってきます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

ぜひ次回も読んでいただけると嬉しいです。

          イロハニトイロ所長

               金村栄治